精密根管治療(自費)とは
根管治療は、虫歯が神経まで進んだ歯や、根の先に膿がたまった歯を残すための治療です。歯の根の中は細く複雑な形をしており、細菌が残ると再び炎症が起こり、最終的に抜歯が必要になることがあります。
まつむら歯科の自費根管治療(精密根管治療)では、ラバーダム防湿・使い捨ての器具・マイクロスコープを用い、症例に応じてMTAセメントを使用します。「細菌を持ち込まない」「感染源をできるだけ取り除く」「隙間なく封鎖する」ことを目標に、1回の治療は60〜90分かけて行います。
当院の自費根管治療の特徴
ラバーダム防湿
治療する歯だけをゴムのシートで囲み、唾液が根の中に入らないようにします。唾液には多くの細菌が含まれるため、治療中の再感染を防ぐための基本となる処置です。
使い捨ての器具(ディスポーザブル)
根の中を清掃する手用ファイルは、滅菌パックに入ったものを使用し、使用後は再使用しません。根の中を乾燥させるペーパーポイントも個包装のものを使用します。いずれも患者さんごとに使い捨てとしています。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
Leica(ライカ)の歯科用マイクロスコープを使い、8〜20倍に拡大した視野で治療します。肉眼では見えにくい根の入口や、根の中の細い枝分かれ・亀裂の有無を確認しながら進めます。
歯科用CTによる診断
根の数・形・曲がり方、根の先の病巣の大きさを立体的に確認し、残せる歯かどうかを治療前に判断します。
MTAセメント
MTAセメントは、生体親和性が高く、湿った環境でも硬化する歯科用の材料です。当院では次のような場面で、症例に応じて使用します。
- 神経に近い深い虫歯で、神経を残す処置(歯髄温存療法・覆髄)
- 根の側面に穴があいている場合の修復(穿孔封鎖)
- 根の先の封鎖、根の先が完成していない歯の処置
MTAセメントは適応を選ぶ材料で、すべての根管治療に使うものではありません。使用するかどうかは検査のうえでご説明します。
当院の保険診療と自費診療の違い
当院では、保険診療と自費診療のどちらでも根管治療を行っています。それぞれの進め方の違いは次のとおりです。
| 項目 | 保険診療の根管治療(当院) | 自費の精密根管治療(当院) |
|---|---|---|
| 唾液の侵入を防ぐ方法 | できる限りの防湿を行います(ラバーダムは使用しません) | ラバーダム防湿を毎回使用 |
| 拡大視野 | マイクロスコープは使用しません | マイクロスコープ(8〜20倍)を使用 |
| 器具 | 滅菌した器具を使用 | 手用ファイル・ペーパーポイントは使い捨て |
| 封鎖に使う材料 | 保険で認められた材料 | 症例に応じてMTAセメント等を選択 |
| 1回の治療時間 | 1歯あたり30分程度 | 60〜90分 |
| 通院回数の目安 | 4回ほど | 通常1〜2回(症状や膿がある場合は増えます) |
| 費用 | 健康保険適用 | 前歯¥55,000/小臼歯¥66,000/大臼歯¥88,000(税込) |
上の表は当院の保険診療と自費診療の進め方の違いを示したもので、他の医療機関と比べたものではありません。保険の根管治療で治る歯も多くあります。
このような方にご相談いただいています
- 同じ歯の根の治療を何度も繰り返している
- 他院で抜歯をすすめられたが、残せる可能性があるか知りたい
- セラミックなどの被せ物を予定しており、土台となる根の治療から丁寧に行いたい
- 神経に近い深い虫歯があり、できれば神経を残したい
適応の判断基準
- CTとレントゲンで根の数・形・病巣の大きさを確認し、根管治療で残せる見込みがあるかを判断します
- 歯の根にひび・割れ(歯根破折)がある場合は、根管治療では治すことができないため、抜歯やその後の治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)をご提案します
- 歯ぐきより下まで大きく崩れている歯は、根の治療ができても被せ物を支えられないことがあります。その場合は歯周外科(クラウンレングスニング)や矯正による引き出しを含めてご説明します
- 被せ物や土台を外さないと判断できない場合は、その旨と可能性を先にご説明したうえで進めます
リスク・副作用
- 治療後、数日から1週間程度、痛み・違和感・噛んだときの響きが出ることがあります
- 根の形が複雑な場合や、過去の治療で根の中が変形している場合は、器具が届かず症状が改善しないことがあります。その場合、外科的歯内療法(歯根端切除術)や抜歯が必要になることがあります
- 治療中や治療後に、歯根のひび・割れが見つかることがあります。この場合は抜歯となる可能性があります
- MTAセメントは歯の変色の原因になることがあります。前歯では材料の選択に配慮します
- 歯髄温存療法(神経を残す処置)を行っても、その後に神経が炎症を起こし、根管治療が必要になることがあります
- 根管治療を行った歯は、神経のある歯に比べて割れやすくなるため、多くの場合、被せ物が必要です(別途費用)
- 治療の結果には個人差があり、すべての歯を残せるわけではありません
治療の流れ
- 検査:レントゲン・歯科用CTで根の形と病巣を確認
- ご説明:歯科医師とTC(トリートメントコーディネーター)が、残せる見込み・回数・費用・ほかの選択肢をご説明
- 根の清掃:ラバーダムを装着し、マイクロスコープで確認しながら感染した部分を取り除き、薬剤で洗浄
- 封鎖:根の中を隙間なく封鎖(症例に応じてMTAセメントを使用)
- 経過確認:レントゲンで根の先の治り具合を確認
- 土台・被せ物:根の先の治癒を確認してから、根を守るための土台と被せ物を装着
- 定期確認:定期的なレントゲンで根の先の状態を確認
期間・回数の目安
- 根管治療の通院回数:通常1〜2回です。痛みなどの症状がある場合や、膿が出ている場合は回数が増えます
- 被せ物までの期間:根の先の治癒を確認してから1か月程度
- 根の先の病巣が大きい場合は、治り具合を確認するため経過観察の期間が長くなることがあります
費用(税込)
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 精密根管治療(マイクロエンド)前歯 | ¥55,000 |
| 精密根管治療(マイクロエンド)小臼歯 | ¥66,000 |
| 精密根管治療(マイクロエンド)大臼歯 | ¥88,000 |
| 歯髄温存療法(VPT) | ¥44,000 |
| 外科的歯内療法(歯根端切除術) | ¥55,000 |
| 当院で神経を取った歯の再根管治療(1年保証期間後) | ¥33,000 |
| 自費根管治療後のインプラント(1年保証期間後) | ¥275,000 |
- 精密根管治療の費用には、穿孔封鎖(パーフォレーションリペア)・根管内の異物除去を含みます
- 土台・被せ物の費用は別途です
- 自費診療(公的医療保険の適用外)です
- 1年保証:治療後1年以内に、経過不良により再び根管治療が必要になった場合は、精密根管治療と被せ物の作り直しを無償で行います。半年に1回以上のメンテナンスにお越しいただくことが条件です(メンテナンスに半年以上お越しにならない場合や、治療を中断された場合は保証の対象外です)。治療前に保証の内容をご説明し、同意書をお渡しします
- 1年経過後に再根管治療が必要になった場合は ¥33,000、被せ物の作り直しは ¥55,000 です
- 新たにむし歯ができた場合の治療、術中に歯冠長延長術(クラウンレングスニング)が必要になった場合は別途です
- お支払い方法:現金、QRコード決済(PayPay・au PAY・d払いなど)、クレジットカード、デンタルローン(JACCS・エポス)をご利用いただけます。デンタルローンは院内でご説明したうえで、お渡しする資料のQRコードから患者さまご自身でお申し込みいただきます(審査があります)
よくあるご質問
- Q. なぜラバーダムを使うのですか? A. 唾液に含まれる細菌が根の中に入ると、再び炎症が起こる原因になるためです。治療する歯を唾液から隔離するために使います。
- Q. 何回くらい通院が必要ですか? A. 通常1〜2回です。1回の治療に60〜90分をかけることで、通院回数をできるだけ少なくしています。痛みなどの症状や膿がある場合は回数が増えます。被せ物は、根の先の治癒を確認してから1か月程度で装着します。
- Q. 保険の根管治療では治りませんか? A. 保険の根管治療で治る歯も多くあります。治療を繰り返している歯や根の形が複雑な歯など、状態を検査したうえで、保険診療と自費診療のどちらが適しているかを一緒に検討します。
- Q. 他院で抜歯と言われた歯でも相談できますか? A. ご相談いただけます。CTで根の状態を確認し、残せる見込みがあるか、難しい場合はその理由とほかの選択肢をご説明します。お手持ちのレントゲンなどの資料があればお持ちください。
- Q. 治療中に痛みはありますか? A. 局所麻酔を行ってから治療します。治療後に数日、痛みや違和感が出ることがあります。
監修
本ページの内容は、医療法人侑和会まつむら歯科 院長 松村和典(歯科医師)が監修しています。JIADSエンドコース、石井歯内療法研修会、マイクロスコープアドバンスコースを修了。修了証はスタッフ紹介に掲載。