咬合再構成(全顎治療)とは
虫歯や歯周病で多くの歯を失った、被せ物がすり減って噛み合わせが低くなった、あちこち治療したのにうまく噛めない。こうした状態では、悪くなった歯を1本ずつ治すだけでは噛み合わせ全体のバランスが整わず、治療した歯がまた壊れる、ということが起こりやすくなります。
このような場合に行うのが、お口全体の噛み合わせを設計し直す「咬合再構成(全顎治療)」です。まつむら歯科では、インプラント・矯正・歯周外科・セラミック補綴を一つの治療計画にまとめ、他院に振り分けることなく当院で行います。計画を立てた歯科医師が最終的な仕上がりまで担当し、TC(トリートメントコーディネーター)が期間・費用・治療の順番の整理をお手伝いします。
全顎治療を検討するサイン
- 噛み合わせが低くなり、口元が短く見える・口角が下がったと感じる
- 被せ物や詰め物が次々に壊れる・外れる
- 歯がすり減って前歯が短くなった
- 奥歯がなく、前歯で噛んでいる
- 顎が疲れやすい、顎の関節に音や痛みがある
- 何度治療しても同じところが悪くなる
これらのサインがあっても、必ずしも全顎治療が必要とは限りません。検査のうえで、部分的な治療で対応できるかどうかも含めてご説明します。
当院で一貫して行える治療
| 必要になる治療 | 当院での対応 |
|---|---|
| 歯周病の管理 | 歯科衛生士による歯周初期治療、歯周外科 |
| 失った歯を補う | インプラント(抜歯即時埋入・骨造成〔GBR〕を含む)、入れ歯、ブリッジ |
| 歯の位置を整える | 矯正(表側・舌側・マウスピース)、部分矯正 |
| 歯ぐきの形を整える | 歯肉移植、クラウンレングスニング |
| 根の治療 | 精密根管治療(自費)、保険の根管治療 |
| 噛み合わせの高さ・形を決める | 仮歯(プロビジョナル)で確認したうえでのセラミック補綴 |
| 歯ぎしり・食いしばりへの対策 | ナイトガード、ボツリヌス治療(詳しくはボツリヌス治療) |
ボツリヌス治療についての表示
ボツリヌス治療は、噛む筋肉の働きを弱めることで、歯ぎしり・食いしばりによる歯や被せ物への負担を減らすことを目的に、必要な方にご提案します。自費診療(公的医療保険の適用外)です。費用・効果・副作用の詳細はボツリヌス治療のページをご覧ください。
- 当院で使用する「コアトックス」は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認医薬品です
- 入手経路:医師の個人輸入により入手しています
- 国内承認医薬品の有無:同一の成分・性能を有する国内承認医薬品はありません
- 諸外国における安全性等の情報:韓国の食品医薬品安全処(MFDS)で2016年に承認されています。海外での承認は、日本国内での承認とは異なります
- 医薬品副作用被害救済制度:未承認医薬品のため、万一重い副作用が生じた場合も国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります
- 主な副作用:注射部位の痛み・腫れ・内出血、一時的な噛みにくさ・顎のだるさなど。効果は一時的なため、続ける場合は繰り返しの注射が必要です
治療の流れ
- 精密検査:歯科用CT・セファロ・口腔内スキャン(iTero)・口腔内写真・顔貌写真・噛み合わせの記録
- 診断・治療計画:残す歯・抜く歯・矯正で動かす歯・インプラントの位置を決めます。最終的な歯の形と噛み合わせは、歯科用の設計ソフト(exocad)を使って3Dで設計します
- ご説明:歯科医師とTCが、治療の選択肢ごとに期間・費用・順番を整理した資料をお渡しし、ご納得いただいてから始めます
- 基礎治療:歯周治療・虫歯治療・根管治療
- 外科・矯正:インプラント埋入、骨造成、歯肉移植、矯正など、計画に必要なもの
- 仮歯で確認:新しい噛み合わせの仮歯で生活していただき、見た目・発音・食事のしやすさを確認しながら調整します
- 最終補綴:仮歯で確認した形をもとに、セラミック等で仕上げます
- メンテナンス:噛み合わせと歯ぐき・インプラント周囲の状態を定期的に確認します

設計ソフト(exocad)で作った診断用ワックスアップ。最終的な歯の形と噛み合わせを、治療の前に3Dで設計します。
適応の判断基準
- 歯周病が進んでいる場合は、まず歯周治療で歯ぐきの状態を安定させてから補綴・インプラントの計画に進みます
- 糖尿病・骨粗鬆症の薬の服用など全身の状態によっては、主治医と連携して治療内容を判断します
- 強い歯ぎしり・食いしばりがある場合は、仮歯の段階で負担のかかり方を確認し、材料や設計を選びます
- 長い治療期間と定期的な通院が必要になるため、通院の見通しも含めて一緒に検討します
- 部分的な治療で十分な場合は、全顎治療をおすすめしません
期間・費用の考え方
- 期間:6ヶ月〜2年程度が目安です。矯正や骨造成を含む場合は長くなります
- 費用:「咬合再構成」としての別途の費用はいただいていません。費用は、計画に含まれる治療(インプラント・矯正・セラミック補綴など)それぞれの費用の合計になります。各治療の費用は各ページと料金表に掲載しています。治療計画の段階で、総額の見積もりとお支払い時期の目安をお出しします
- 自費診療(公的医療保険の適用外)の治療が中心になります。保険診療で対応できる部分は保険で行います
- お支払い方法:現金、QRコード決済(PayPay・au PAY・d払いなど)、クレジットカード、デンタルローン(JACCS・エポス)をご利用いただけます。デンタルローンはすべての自費診療が対象で、院内でご説明したうえで、お渡しする資料のQRコードから患者さまご自身でお申し込みいただきます(審査があります)
費用の参考例(税込)
計画に含まれることの多い治療の費用です。実際の総額は、必要な治療の組み合わせと本数によって異なります。
| 治療 | 費用 |
|---|---|
| インプラント(埋入〜被せ物まで、1本) | ¥440,000〜 |
| セラミック・ジルコニアの被せ物(1歯) | ¥154,000 |
| 仮歯(プロビジョナル、1歯) | ¥8,800 |
| 成人矯正(ワイヤー) | ¥836,000 |
| 部分矯正(ワイヤー) | ¥187,000〜¥253,000 |
| 精密根管治療(自費) | ¥55,000〜¥88,000 |
| 歯肉移植(FGG・CTG) | ¥88,000 |
リスク・副作用
- 治療期間が長く、通院回数が多くなります
- 仮歯の期間は、硬いもの・粘りのあるものの食事に制限があります
- 骨の状態や歯の反応により、途中で治療計画の見直しが必要になることがあります
- インプラント・骨造成・歯肉移植などの外科処置では、術後の腫れ・痛み・内出血が出ることがあります
- 矯正では、歯の痛み・歯根の吸収・歯ぐきの下がりが起こることがあります
- 歯を削る治療(被せ物)は元に戻すことができません
- ボツリヌス治療では、注射部位の痛み・内出血、一時的な噛みにくさが出ることがあります。効果は一時的です
- 治療後も噛み合わせは少しずつ変化するため、定期的な確認と調整が必要です。メンテナンスに通えない場合、被せ物の破損やインプラント周囲炎のリスクが高くなります
- 治療の結果には個人差があります
各治療の詳しいリスクは、各治療ページをご覧ください。
よくあるご質問
- Q. 全部の歯をセラミックにしないといけませんか? A. いいえ。残せる歯や保険診療で対応できる部分はそのまま活かし、必要な部分だけを治療する計画をご提案します。
- Q. 他院で治療中ですが、相談できますか? A. ご相談いただけます。お手持ちのレントゲンや治療の資料があればお持ちください。
- Q. 治療期間中、歯がない状態になりますか? A. 多くの場合、仮歯や仮の入れ歯で見た目と噛む機能を補いながら進めます。状態によって異なるため、計画の段階でご説明します。
- Q. 費用はいつ分かりますか? A. 精密検査と診断のあとに、治療計画とあわせて総額の見積もりをお出しします。「咬合再構成」としての別途の費用はなく、計画に含まれる各治療の費用の合計です。治療を始めるかどうかは、見積もりをご確認いただいてからお決めください。
- Q. 分割払いはできますか? A. デンタルローン(JACCS・エポス)による分割払いをご利用いただけます。院内でご説明したうえで、お渡しする資料のQRコードからご自身でお申し込みいただきます(審査があります)。
- Q. どこから相談すればよいですか? A. まずは現在のお悩みをお聞かせください。TCが歯科医師とともに、検査の内容と流れをご案内します。
監修
本ページの内容は、医療法人侑和会まつむら歯科 院長 松村和典(歯科医師/日本口腔インプラント学会会員)が監修しています。JIADSインプラントコース・ペリオコース・エンドコース、明石矯正研修会、SJCD等の研修を修了。修了証はスタッフ紹介に掲載。